2013年9月1日日曜日

運命の友達

大学を出てすぐのころ、勤めていた会社に
50歳くらいの事務の女性がいました。

物静かで、とっても優しそうな感じで
いつも白いブラウスに、フレアースカート。
バレリーナみたいにほっそりしていて、髪の毛はシニヨン。

目が合うと、必ず微笑んでくれる。
話をすると、なんだかホッとする…
そんな素敵な人でした。

ずっと年下の私が言うのは変だけど
「少女」という雰囲気がありました。

ある日、彼女のお友達という人が
新たに、経理の人として入ってきました。

彼女もまた、とっても優しそう。
髪型や服装は違うけれど
物静かでほっそりしていて、
話をするとホッとする…。

お二人が、休憩時間に
楽しそうに話しこんでいるのを見ると
まるで「赤毛のアン」の、アンとダイアナみたいで
微笑ましくなってしまうのでした。

あんなに気が合う友達に会えて、うらやましいな。
そう思っていました。

事務の方に、「どういうお友達なんですか?」と
聞いてみて、びっくり。

あるとき電車の中で見かけて、
「あの人、私に似てるみたい…」と思ったのだそうです。
経理の方も、全く同じように思ったのだそうです。
そして、友達になったのだとか。

そんなことって、あるんだ。

だいたい、電車の中で友達を探そうなんて
思ったこともないし、
たとえ思っても、声をかける勇気があるかしら?

でもなんとなく、ふたりが出会ったところを
想像できる気がしました。
たぶん、なんとなく目が合って、
微笑んで…という感じだったんだろうな。

あれから25年。
お二人は、どうしているでしょう?
素敵なおばあさんになって
今も仲良くおしゃべりしたり
ときには旅行したり、しているかな。

思いがけないデザインのお花が咲きました。
こんぺいとうみたいです。

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