2013年9月26日木曜日

負け惜しみ

前回のブログで書いた
経理の女性とのエピソードです。

ある日、給湯室で
一緒になりました。

当時私はまだ23~24歳。
とても暑い日で、ノースリーブのブラウスを
着ていました。

彼女が、にっこり笑ってこう言ったのです。

「気持よさそうね~
ちょっと、触らせて!」

そして、私の二の腕を触って言いました。
「素敵ね」

そのとき私は、面白い人だな~と思って
笑っただけだったのですが
今、この歳になって
彼女の気持ちがよくわかるのです。

テニスをしているとき、若い人を見ていると
つくづく「若いって、素敵だな」と思います。

ぴんと張った
汗をはじくような肌。

若いというだけで、美しい。
妬ましい。

「年齢を重ねたなりの美しさ」
なんていうけれど、
あれはおせじですね。
若い人にはかなわない。

でも、これだけははっきり言えます。

若い人には真似できない、
歳をとった女性ならではの素晴らしいところ。

それは、
コミュニケーション能力です。

たとえば、
瞬時に「自分と仲良くなれそうな人」を見分ける能力。
電車の中で、知らない人に声をかけられる積極性。

それがあるだけで、人生は
ぐんと楽しくなります。

そして、若い人につきものの、
顔から火が出るような恥ずかしい
間違ったコミュニケーションをするようなことも、
めったに、なくなります。

こんなふうに
歳をとることの素晴らしさを
語れば語るほど、
「負け惜しみ」
という言葉が浮かんでくるのは
どうしてなんでしょう?

ニューヨークの
60歳以上の女性だけの、
ファッションスナップ集。
見ると元気が出ます!





2013年9月1日日曜日

運命の友達

大学を出てすぐのころ、勤めていた会社に
50歳くらいの事務の女性がいました。

物静かで、とっても優しそうな感じで
いつも白いブラウスに、フレアースカート。
バレリーナみたいにほっそりしていて、髪の毛はシニヨン。

目が合うと、必ず微笑んでくれる。
話をすると、なんだかホッとする…
そんな素敵な人でした。

ずっと年下の私が言うのは変だけど
「少女」という雰囲気がありました。

ある日、彼女のお友達という人が
新たに、経理の人として入ってきました。

彼女もまた、とっても優しそう。
髪型や服装は違うけれど
物静かでほっそりしていて、
話をするとホッとする…。

お二人が、休憩時間に
楽しそうに話しこんでいるのを見ると
まるで「赤毛のアン」の、アンとダイアナみたいで
微笑ましくなってしまうのでした。

あんなに気が合う友達に会えて、うらやましいな。
そう思っていました。

事務の方に、「どういうお友達なんですか?」と
聞いてみて、びっくり。

あるとき電車の中で見かけて、
「あの人、私に似てるみたい…」と思ったのだそうです。
経理の方も、全く同じように思ったのだそうです。
そして、友達になったのだとか。

そんなことって、あるんだ。

だいたい、電車の中で友達を探そうなんて
思ったこともないし、
たとえ思っても、声をかける勇気があるかしら?

でもなんとなく、ふたりが出会ったところを
想像できる気がしました。
たぶん、なんとなく目が合って、
微笑んで…という感じだったんだろうな。

あれから25年。
お二人は、どうしているでしょう?
素敵なおばあさんになって
今も仲良くおしゃべりしたり
ときには旅行したり、しているかな。

思いがけないデザインのお花が咲きました。
こんぺいとうみたいです。