2013年10月19日土曜日

私のヒーロー

ずっと前、ある若い女子アナの方に
インタビューをしたときのことです。

雑談しているとき、
私に幼稚園の息子(当時)がいることを
お話しました。
すると、彼女はこう言いました。

「私、わからないことがあるんですよね。
“体操のおにいさん”って、
ママさんたちにすごく 人気じゃないですか。
どういうところが魅力なんですか?
正直そんなに、カッコいいと思えないんですけど…」

ああ、子どもがいない人にとっては
そうなのかもしれないなぁ…。

私にとって、体操のおにいさんは
「恩人」といっても過言ではない人。

家事で忙しく、子どもの世話がなかなかできない朝、
子どもの機嫌が悪くなりはじめる夕方、
颯爽と現れて、私たちを救ってくれる。
おにいさんは、そんなヒーローでした。

「あ、い、う~!」と体操が始まると
どんなにホッとしたことか。
子どもと一緒に体を動かすだけで
家の中のどんよりした雰囲気が、
一掃される気がしました。

会社に行っている夫は知らない
自分の寂しさも
おにいさんならわかってくれる、
そんな気さえしました。

そしてもうひとり、
子育て経験のあるほとんどの人にとって
大恩人と言える人。

それは、やなせたかしさんです。

子育てが大変だった時期、
アンパンマンに、どれだけ助けられたことか…。

いくらお礼を言っても言い足りないくらいです。

東日本大震災で、被災したある女の子が
こんなことを言ったそうです。
「私、地震なんて全然怖くない。
だって、アンパンマンが助けに来てくれるもん!」

それを聞いて、やなせさんが書いた色紙が
テレビで紹介されていました。
アンパンマンのイラストの横に、
こんな言葉が書いてありました。

「ぼくが空を飛んでいくからね
きみを助けに行くからね」

子どもが生まれてまもなく
上京した父が、
上野のおもちゃ屋さんで
「アンパンマン電話」を買ってきてくれたのも、
忘れられない思い出。
今は、こんなスマートフォンになっております!

2013年10月10日木曜日

そんな朝

中三の子どもが、
京都に修学旅行に行きました。

その日はあいにく、 台風が関西を直撃。

出かける前に、私はこう言いました。
「もしかして、せっかく行っても
旅館で一日過ごすことになるかもしれないね」

すると子どもは、
「そうだね…。
でもねお母さん、それもまた、楽しいんだよ!」

そうか、そうだよね。

そして、出かけていく子どもの後ろ姿を
マンションのベランダから見送っているとき、
思ったのです。

「ああ、私の子育て、終わったな」と。

どうしてそう思ったのかは、うまくいえないけれど、
わかったのです。

もちろん、これからもご飯を作ったり
怒ったり、ケンカしたりもするだろうけど
もう、私がしてあげられることはほとんどない。
この子はこれから、社会の中で育っていくんだな。

なんだかとっても、寂しい…。
寂しいけれど、嬉しい。

そして思ったのです。
私の子育て、楽しかったな~!

お皿を洗いながら、なんだか泣けて泣けて
しょうがなかったのでした。

いろんな夕焼けの中でも
私の好きな感じの空。