2014年11月26日水曜日

ほんものの人

家の中の何かが故障したりすると
業者の人に、家に来てもらうことって、ありますよね。

HPでたまたま見つけたところに
お願いすることが多いけれど
いつも“いい人”にあたるとは限りません。

その人の見立てが正しいかどうか
料金が適正かどうかは、
自分の勘を信じるしかないときもあります。

「この人、ほんものかな、それとも…」
いつも、そんな葛藤が自分の中で巻き起こります。

たまに「ほんものだ」と思う人に出会えると、嬉しい。

先日、キッチンの蛍光灯が、つかなくなってしまいました。
新しいものと交換しても、やっぱりつかないので
近所の電気屋さんに見てもらいました。

一人めの人は、スイッチをパチパチしただけで
「心臓部がダメになってるから、交換ね。作業代入れて3万円」

「なんだか、この人…」
にせものな気がしたので、お帰りいただきました。

次の日、別の電気屋さんに来てもらいました。
蛍光灯だけでなく本体も取りはずして、
ホコリだらけになって天井裏も見てくれて
どこかに問い合わせもしてくれて、
原因を突き止めてくれました。
すごく、レアなトラブルのようでした。

料金は、3000円。 かっこいい~。

お帰りを引きとめて、関係ない
暖房やパソコンのことなど、あれこれ相談してしまいました。

思い出したのが、
以前、和室の畳替えをお願いしたときのこと。

近所の畳屋さんを見つけて、お願いしたところ
やってきたのは、70過ぎと思われる無愛想なおじさん。

ベランダで、2時間ほど黙々と作業をしている様子や
家具を運び出すときの様子を見て、思いました。
「この人、きっとほんものだ」

作業が終わったところで
思い切って、言ってみました。
「あの~。このテーブル、ガタガタ揺れるんですけど
ちょっと見てもらえないでしょうか」

ダイニングテーブルのガタつきが どうしても直せず、
何カ月も我慢していたのです。
ホームセンターで相談して、いろいろ材料を買ってきて試したり
便利屋さんに頼んだりしてみたけれど
やっぱり直せなかったのです。

おじさんは、ひょいとテーブルをひっくり返して
あちこち見ていたと思いきや、
金づちを取り出して、木の“ある部分”を、カンカン!
……なんと、10秒で直してしまったのです。
スパナやドライバーも使わずに。

かっこいい~。

お礼の額がわからず、迷った末、適当に包みましたが
無愛想なまま、去っていきました。
まるで、さわやかな風のよう!

あこがれます。私もなりたい。

そして、「ほんもの」の連絡先は、
暮らしの財産。
なくさないようにしなくては!



ときどき、一人でぼんやりしたいときに
訪れる、根津美術館。
紅葉がきれいでした。