2015年6月10日水曜日

鈍感

保育園の発表会などで、
0~1歳くらいの乳児も、並んでお遊戯をするのは
よく見かける光景です。

まだひとりで立てない子は
椅子に座らされたりします。
ほかの方向にハイハイしようとする子を
先生が抱っこして、 観客のほうに向き直させたりします。

自分の子どもにも、 そんなときがありましたし、
ただ、「可愛いなあ~」と思って見ていました。

でも最近、とある
児童学の専門家の方に取材に行ったとき
それについて、憂い顔でこういわれました。
「人権侵害ですよ」

ハッとしました。
そんなこと、一度も考えてみなかったけれど
そういえば、そうかもしれない。

赤ちゃんにとっては、何の勉強にもならないし
楽しくもない。
単なる見世物。

まで、 赤ちゃんに人権はないものと思っていました。
大人の思い通りにしていいものだと。

そして思いだしました。
以前、生物学者の福岡伸一さんを取材したときに
お聞きしたエピソードです。
(※一度雑誌に掲載された内容なので、ここで紹介しても問題ないと思います)

「僕は子どもの頃、ピーマンが大嫌いだったんですよね。
だから母親が、 ピーマンをものすごく小さいみじん切りにして
気付かれないようにハンバーグに混ぜて、
僕に食べさせていた」

そして真顔で、こうおっしゃった。
「人権侵害ですよね」

思わず笑ったけど
あとで思い返すと、しみじみ正しいと思いました。

福岡ハカセは、そしてこうもおっしゃいました。
「人間には、食べるものを選ぶ権利があるんです」

ときどき、自分の
“人権”というものに対する鈍感さに、
ハッとさせられます。

自宅にて、お洗濯記事の撮影中。
私が作った平凡なまかないも
カメラマンさんが撮ると、こんなにおいしそう!