2015年12月19日土曜日

そんな時代

先日、高校の友人たちとの忘年会で
隣に座った男性が
鞄の中に、クリスマス用に可愛くラッピングされた
プレゼントを入れているのを発見。

「奥さんに?」と 聞いてみたら、
「いや、○○ちゃんに」。

愛犬のためのプレゼントだそうです…。

クリスマスだから。 プレゼント!

それはいいとしても
そのラッピング、いる??

言えませんでしたけどね。
心の中で思いました。
ちなみに、中身はお洋服だそうです。

本人は嬉しいのか??
聞けませんでしたけど。

そんなこの頃、
こんな喪中はがきもいただきました。
「愛犬○○が永眠しましたので
年始のご挨拶を控えさせていただきます」

そんな時代になったのね~と しみじみ。

愛犬や愛猫は家族の一員であり
「ペット」という呼び名はもう古いのでしょうね。
うっかりしたことは言えません。

お仕事で一緒になったカメラマンさんに
そんな話をしていたら
「私も、この間失敗しました」とのこと。

犬の写真を撮っているとき
「ちょっとそのえさを…」と言ったら
飼い主の人に、
「ご、は、ん!」 と言い直されてしまったのだそう。

「でも私、ついうっかり何度も“えさ”って言ってしまって
そのたびに“ごーはーん!”って 怒られました」

わかる。私も同じことをしてしまいそう。

でも私も、
もし今ペットを飼ったら
ものすごく溺愛してしまう気がします。
いつでもベタベタと触らせてくれて
甘えてくれる存在がいたら
いいだろうなぁ~。

でも、ペットは子どもと違って
たぶん自分より早く死んでしまう。
それが怖いです。

ペットとは全然関係ないのですが
昨日、TVで観た
小学生の男の子の作った短歌に
心打たれました。(※言葉が微妙に違うかもしれません)

「下級生が ブランコに並んでも ゆずらない
あとで怒られても 今を楽しむ」

国立演芸場にて。
最高に楽しかったです~!






2015年12月1日火曜日

水木しげるさん、大島花子さん、そして死について

今日は真面目な話をしたいと思います。

水木しげるさんの訃報は、ショックでした。
この調布にはもういらっしゃらないのだと
思っただけで、
涙がにじんでくるほどさびしいです。

娘さんに支えられながら、
ゆっくりゆっくり 歩いていらした姿を、
思い出します。

戦争の暗さを、ちゃんと描いた方でした。

「桜のように美しく散る」なんてことは 幻想で、
真実は地獄なんだよ
手足が腐っていくけどなかなか死に切れない
そんなことのほうが多かったんだよと
伝えてくれました。

私は戦争を知らないので
想像するしかありません。
想像してみて、こう思います。

戦争反対という話では
「死ぬことの恐怖」ばかり語られるけれど
本当に恐ろしいのは
「人を殺さなければならない」
ということではないか。

戦争で人を殺した経験について
語る人はあまりいません。 それは当然のことです。

だから、私たちはそのことについて
考えなさすぎる。

人を殺したら、
人間でいられなくなると思います。
たましいが傷ついてしまいます。

戦争だけではなく
死刑を執行する人たちも同じです。

ボタンを押す人、死刑囚の体を押さえつける人、
今までその仕事に関わった人たちのいったい何割が
心を病んでいるでしょうか。

そんなデータは、発表されたことがありません。
でも私たちは確実に、
その役割を誰かに押しつけているのです。

水木さんの訃報を聞いた夜、
NPO法人監獄人権センターの
20周年記念パーティのお手伝いに行ってきました。

ゲストに、歌手の大島花子さんがいらしていて
お父様(坂本九さん)の思い出を
少し語ってくださいました。

亡くなる前の日に
一緒に庭の草むしりをしたこと。
とっても暑い日で、
お母さんがかき氷をつくってくれて
みんなで食べたことを
今でもはっきり覚えていらっしゃるそうです。

なんでもない日々の幸せが
本当は奇跡のようなことなのだと
私たちは気づかないまま、毎日を過ごしています。

花子さんの歌声は、透き通るように美しく
アカペラで歌われた「見上げてごらん夜の星を」は
胸に染みわたりました。

今日は水木さんの死と、花子さんの歌をきっかけに
戦争のこと、 人の命のことを考えました。
誰もが、誰かを殺したりしなくていい世界になりますようにと祈りました。