2016年2月20日土曜日

よその子

もう10年以上前ですが、
会社に勤めていたとき、
子どもの保育園のお迎えに間に合わないことが、
よくありました。

そんなときは、
地域の「ファミリーサポーターさん」に
いつも子どもを預かってもらったものです。 

もうリタイアされたご主人と、奥様が
二人で保育園に迎えに来てくれて
自宅でご飯を食べさせ、遊んでくれました。

子どもだけでなく私にとっても、
二人は大きな“安心”をくれる存在でした。 

もし私が働いていなくて、専業主婦だったら
あの方たちに会うこともなかったでしょう。
そうしたら、私はどうなっていたでしょう?
もしかしたら孤独な子育てで、
ノイローゼになっていたかもしれません。 

子どもが大きくなったいま、
今度は私が「ファミリーサポーターさん」になって
ときどき、子どもを預かっています。 

忙しいので、それほど頻繁にはできませんが
子育ての手伝いは、世の中に
ひとりでも多いほうがいいと思っています。 

そんな話をすると、ときどきこういう人がいます。
 「でも、よその子を預かると
嫌な思いをすることって、ない?」

 嫌な思いをすること?
それはもちろんあります。 

風邪をうつされたこともあるし、
テレビの画面に傷をつけられたこともある。
せっかく作ったご飯をひっくり返されたことも。

それは自分の子どもを育てているときと、同じ。 

そういう質問をする人って、きっと
 「自分の子どもは、自分の子どもだけ」と
思っているのでしょう。 

以前、子どもの取り違え事件をテーマにした
映画が公開されたことがありました。
赤ちゃんのときに、子どもが取り違えられたことがわかって、
交換するというストーリーでした。 

私は映画を観ていませんが
その話を聞いて持った感想は、
「誰だっていいじゃない」
でした。

「ひとりずつ、育てればいいじゃない」
と思いました。

親戚として、つながることにすればいい。

乱暴でしょうか?

世界中の子どもが、自分の子どもで
みんなの子どもを、みんなで育てるという
意識の人が増えれば、
子育ては今よりどんなにか楽になるのにと
思わずにはいられません。

先日観た、NHKスペシャルでも
そもそも人間という動物は、
ひとりで子育てするようには
できていないのだと言っていました。
深く、納得できました。

先日、下諏訪に旅行してきました。
今年は7年に1度の「御柱祭」。
これが、「木落とし」に使われる柱です。

長さ17メートル、重さ約10トンの木を、
3日間かけて、20キロ下の場所まで運びます。

柱が落ちるのは、この坂。
傾斜27度といいますが、
実際に見ると、ものすごく急な坂です。