2015年9月24日木曜日

勝手にエール

カフェで仕事をしていたところ、
隣の席のカップルの会話が耳に入ってきました。

20代後半くらいの女の子と、 会社員っぽい男性。
テーブルに結婚情報誌を広げているので
どうやら、婚約中のようです。

女の子が、携帯で電話している間に
男性は、席を立ち、トイレに行きました。

戻ってきた男性に、女の子は、
「どこに行ってたの? 黙って行かないで。どんなときでも絶対に行き先を言って」
男性は、「…わかった」

うゎーうざい! 
それからは、 二人の会話にくぎ付けになってしまいました。

(女)「クリスマス、サンタさんにどんなお願いごとする?」(まだ9月ですが…)
(男)「はぁ?」
(女)「お願いごとしないと、プレゼントもらえないよ」
(男)「……今とくに欲しいものないけど」
(女)「じゃあ、サンタさんにお手紙書いてくれる?」
(男)「えっ、手紙?」
(女)「約束だよ! お手紙待ってる♡」
(男)「……」
(女)「年末、海外行こうよ」
(男)「そんな金ないよ。っていうか実家に行くんだろ」
(女)「今しか楽しめないことって、あると思うんだよね。先のことばっかり考えてがまんする人生って、どうなのかな」

その後も、結婚式や披露宴のことなど
女の子の要求はどんどんエスカレートしていき
男性は、苦笑&あきれ顔…という感じなのでした。

決して、その女の子をバカにしたいわけでは
ないのです(少しはあるけど…)。
私にも、こんなふうに 期待に満ちあふれ、
幸せに舞い上がっていた時代があったのかもしれない。

なんと遠くまで来てしまったことか。

これから、あの子はどれだけのことを
あきらめながら、人生を進んでいくのでしょう。

彼はどこにでも、行き先を言わずに出かけるでしょうし、
たぶんサンタさんへのお手紙も書いてくれない。
年末の海外旅行も行けないでしょう。
あの男性の様子を見ていると、
もしかしたら、結婚まで行きつかないかも。

あきらめて、あきらめて、あきらめて……
そこに残っている人生も
きっとそんなに悪くないよ!

心の中で、優しくエールを送りながら
隣の席でひとりコーヒーをすする、
大センパイなのでした。