一緒にコーヒーを飲んだ。
久しぶりに会ったのに、 なんだか彼女、
浮かない顔をしている。
「急に老眼が始まっちゃって…」
ああ、そうなんだ。
彼女は、私より3つ下の44歳。
もともと視力がすごくいい人だから
老眼の進みも早いのだろう。
「通勤電車の中で、本を読むのが楽しみだったのに
字が見づらくなったから、最近は読むのもやめたの」
「老眼鏡掛ければ?」と言うと、
「だって……混んだ電車の中で
わざわざ老眼鏡を掛けたり外したりするのも
大変じゃない?」
確かに。
それに、彼女の外見は、どう見ても30代。
ロングヘアーに素敵なスーツ、 9センチハイヒールで
いつも颯爽としている。
そんな彼女にとって、人前で老眼鏡を掛けるのは
さぞかし抵抗があるに違いない。
私だって、
老眼はとっくに始まっていたけれど
その進行の速さに
最近またげんなりしていたのだ。
「ねえねえ、これ見て」
私は彼女に、コンパクトな英和辞書を出して見せた。
「この間、電子辞書が故障しちゃって、
久しぶりにこれを開いてみたの。
どう? 読める?」
「何これ、字、小っさ!
どんだけ目から離しても、読めないよ」
「でしょう~! 私も、ショックで……!
だって、以前は平気で使ってたんだよ」
ほんとだよね~と、ふたりで笑った。
抵抗しても、しょうがないね。
字の大きな辞書を買えばいいんだわ。
彼女と話しているうちに、
気持ちが明るくなったのでした。
目黒川でお花見。 桜って、どうしてこんなに 天候不順な季節に わざわざ咲くんでしょうね? |
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