2015年1月14日水曜日

心に一人の杉下右京

映画『ゴーン・ガール』を観ました。 (※ネタばれ注意!)
ああ、怖かった~。

予想を次々と裏切られて、
途中から心臓バクバク、
どこまで怖くなるの?という感じでした。

終わり方についても
「えっ!!」と驚きました。 面白かった。

でもその時、私の頭に浮かんだ言葉。

「杉下右京は、許さないよ」。

もし、ドラマ『相棒』の杉下右京さんがこの映画に出ていたら
絶対に、このままではすまさない。

そして、 テレビドラマの『オリエント急行殺人事件』も観ました。
原作は、何十年も前に読んだ覚えがありますが
こんな終わり方だったっけ…?
ドラマは面白かったです。

でもやっぱり、こう言いたい。
「杉下右京は、許さないよ」

『ゴーン・ガール』や『オリエント急行殺人事件』ほど
ひどい話ではなくても、
現実に、こういうことってあると思う。

「夫が、なにやら悪いことをしているらしいけど
目をつぶっておこう」
「妻が、近所の人に迷惑なことをしているらしいけど、
知りたくない」

幸せを守るために、自分の中の正義を犠牲にする。
表面上は、平和が保たれる。

でもその後の人生、
自分を好きでいられるかな?

「いつも心に一人の右京さんを持っていよう」
今年最初に、自分に言い聞かせた教訓でした。

オリエント急行…ではなく、特急かもめの中で見つけた
不思議な柱。これ、何だろう?

この席のためだけの、折りたたみテーブルでした。
親切!

2014年11月26日水曜日

ほんものの人

家の中の何かが故障したりすると
業者の人に、家に来てもらうことって、ありますよね。

HPでたまたま見つけたところに
お願いすることが多いけれど
いつも“いい人”にあたるとは限りません。

その人の見立てが正しいかどうか
料金が適正かどうかは、
自分の勘を信じるしかないときもあります。

「この人、ほんものかな、それとも…」
いつも、そんな葛藤が自分の中で巻き起こります。

たまに「ほんものだ」と思う人に出会えると、嬉しい。

先日、キッチンの蛍光灯が、つかなくなってしまいました。
新しいものと交換しても、やっぱりつかないので
近所の電気屋さんに見てもらいました。

一人めの人は、スイッチをパチパチしただけで
「心臓部がダメになってるから、交換ね。作業代入れて3万円」

「なんだか、この人…」
にせものな気がしたので、お帰りいただきました。

次の日、別の電気屋さんに来てもらいました。
蛍光灯だけでなく本体も取りはずして、
ホコリだらけになって天井裏も見てくれて
どこかに問い合わせもしてくれて、
原因を突き止めてくれました。
すごく、レアなトラブルのようでした。

料金は、3000円。 かっこいい~。

お帰りを引きとめて、関係ない
暖房やパソコンのことなど、あれこれ相談してしまいました。

思い出したのが、
以前、和室の畳替えをお願いしたときのこと。

近所の畳屋さんを見つけて、お願いしたところ
やってきたのは、70過ぎと思われる無愛想なおじさん。

ベランダで、2時間ほど黙々と作業をしている様子や
家具を運び出すときの様子を見て、思いました。
「この人、きっとほんものだ」

作業が終わったところで
思い切って、言ってみました。
「あの~。このテーブル、ガタガタ揺れるんですけど
ちょっと見てもらえないでしょうか」

ダイニングテーブルのガタつきが どうしても直せず、
何カ月も我慢していたのです。
ホームセンターで相談して、いろいろ材料を買ってきて試したり
便利屋さんに頼んだりしてみたけれど
やっぱり直せなかったのです。

おじさんは、ひょいとテーブルをひっくり返して
あちこち見ていたと思いきや、
金づちを取り出して、木の“ある部分”を、カンカン!
……なんと、10秒で直してしまったのです。
スパナやドライバーも使わずに。

かっこいい~。

お礼の額がわからず、迷った末、適当に包みましたが
無愛想なまま、去っていきました。
まるで、さわやかな風のよう!

あこがれます。私もなりたい。

そして、「ほんもの」の連絡先は、
暮らしの財産。
なくさないようにしなくては!



ときどき、一人でぼんやりしたいときに
訪れる、根津美術館。
紅葉がきれいでした。

2014年10月20日月曜日

大人げない

ときどき預かっている
4歳の男の子が
最近、将棋を覚えはじめました。

まだ、駒の動き方を
完全に覚えてはいないので
私が教えながら、手を抜きながらの
対戦をしています。

3度目の対戦のとき。
だいぶ、上手になってきたな~と思って
熱が入ってしまい…。

つい、うっかり。
大人げなく、
勝ってしまいました。

男の子は、火がついたように大泣き。
やってしまった…。

あのときの自分の気持ちを反芻してみると
「勝ちたい」
という、子どものような気持ちでした。

私の息子が小さい頃のことを
思い出しました。

私の母と息子は
ゲームやパズルで遊んでいるうちに
ケンカになることが多く、
いつも、息子が泣いていました。

理由は、どっちかが何かなくしたとか
どっちかがたくさんやったとか、
ものすごくささいなこと…。

息子が、布団をかぶってわんわん泣いているところに
母がしょんぼりとやってきて
「ごめんね、100円あげるから泣きやんで」
などと、なだめていたのを思いだします。

あまりにケンカするので
私から、「ジグゾーパズル禁止令」を
出したこともあります。

お母さん、本当に大人げない…。
そう思っていました。

私、そのときのお母さんに近づいてきたかも。

老いるということは、
大人げない行動が
多くなることなのかも しれません。

男の子が
大きなバッタをとってきて、見せてくれました。
どこにいるか、わかりますか?


2014年10月2日木曜日

アラフィフ女子とマーガレット

六本木ヒルズで開催中の、
「わたしのマーガレット展」に
友達と二人で行ってきました。

『マーガレット』そして『別冊マーガレット』は、
私の青春時代のバイブルと言っても過言ではありません。
恋に恋する年頃、
胸ときめかせながら読んでいた、少女マンガ雑誌です。

創刊50年ということなので
ほぼ、私と同い年。
なんだか、感慨深いものがあります。

入口から、
ピンク色の乙女チックな雰囲気の内装に
心弾みます。

展示スペースには、
なつかしいマンガの原画が、300点以上も!


オスカルとアンドレの等身立体像も!


「きゃー、わたなべまさこ先生、怖い!」
「伊賀野カバ丸! 読んでた!」「つる姫じゃー!」
「エースをねらえ、全部持ってる!」
「紡木たく先生!」「くらもちふさこ先生!」「槇村さとる先生!」…
はしゃぐ気持ちが抑えられません。
絶対に、同年代の友達と一緒に行くことをおすすめします。

少女マンガのジャンルとしては、
以前は 「恋愛もの」「スポーツもの」「怪奇もの」「ギャグもの」の
4つに分けられていたのだなということもわかりました。
でも現在は、ほぼ「恋愛もの」に偏っている気がします。

そして、恋愛もののパターンは、
昔も今もあまり変わらず…。

第一印象は「イヤな奴!」

意外な一面を知って、次第に気になる存在に…。

突然抱き締められる(もしくはキス)

いい感じになったところで
事件が起きる(誤解など)

いろいろあってハッピーエンド

というパターンが王道ではないでしょうか。

最後は、盛り上がってプリクラも撮ろう!ということに。
でも、使い方がわからず、
画面を押したり ボタンを探したり…。
最初にお金を入れるんだ!とわかるまでに 時間がかかりました。

チラシでは「親子三世代楽しめる…」とありましたが
会場を訪れていたのは
中年女性が目立ちました。
となりのプリクラボックスでも、やはり 同じように
40代とおぼしき女性たちが、 大騒ぎしていました。

心だけ少女に戻った、楽しいひとときでした。

グッズもいろいろあって
つい、買ってしまいました…(もっと買いたかった)。

2014年9月11日木曜日

引き返す勇気

以前、仕事をお手伝いしてもらっていた
アルバイトのKちゃん。

東京生まれの東京育ちなのに
おつかいを頼むと、必ず迷ってしまう。
なかなか、帰ってこない……。

いろいろ聞いているうちに
驚く言葉が出てきました。

「私、引き返せない性格なんです」
「どういうこと?」

例えば、新宿駅で
電車の乗り換えをしようとして歩いていて、
「あ、こっちの方向じゃない」と気付いたとする。
そのとき、 Uターンすることが、
できないのだそうです。

「なんでできないの?」
「なんでか……わかりません」

「それで、どうするの?」
「そのまま歩いてしまいます」
「それじゃたどりつけないでしょ?」
「はい……すごく遠回りになります」
「??」

わからない!
でも、ちょっとだけわかる気がする。
Uターンするのって、恥ずかしい。

私も、電車に乗ってボーっと座っていたら
ドアが閉まりそうになって
「あ、降りる駅だった!」と気付いたとき
あわてて立ち上がるのが恥ずかしい。
急いで降りれば間に合うのに、 そのまま座っていたりする。

「失敗してませんよ」という、涼しい顔をしたくなる。
なんだろうこの感情。

でも、失敗を認めた方が、無駄はない!

引き返せないために
大ごとになってしまう人もいるんだろうな。
朝日新聞が、散々叩かれているのを見て
そんなことを考えました。

2014年6月26日木曜日

本番はいつ?

運動会でよく見かける、
紫外線対策バッチリのママたち。

つばの広い帽子、
首周りにはストール、
そして、長い腕カバー。

決して、カッコよくはない。

まるで、こう言っている気がします。

「今は本番じゃないから」

女優ならわかるよ。
でも、普通の主婦でしょ。

一体いつが本番?

子どもの運動会って、
いろんなママたちや、ふだん会わないパパたちにも
たくさん会う機会ですよね。
今日こそが晴れ舞台。

日ごろ頑張ってケアしてきた
きれいな自分を見せるのは、
今でしょ!

今頃ですが…はまってしまいました!
面白すぎて、忙しいのに読むのを止められません。

2014年5月25日日曜日

その人と私は

その人と私は、
ある会で隣同士に座りました。

私と同じくらいの年齢ですが、
もう成人した息子がいると
話してくれました。

「息子は、知的障害があって
仕事には就けないので
施設に通っています。

毎日、送り迎えが必要です。
公共の場所でも、大声を出したり
動きをやめられなかったりするので
私が常に付き添っていないといけないんです。

ふつうは、子どもが成長するに従って
子育てってラクになるものでしょう?
でもうちは反対なの。
子どもが大きくなるほど
力がつよくなるから、抑えるのが大変で。

ふたりだけで家にいるときに
暴れられると、身の危険を感じることも
あるんですよ。

あまりにも興奮して抑えられないときは
トイレに避難することもあります。

でも、私の子育ては特殊だったから
みなさんみたいに、ほかのいろんなことで
悩む暇もなかったですね。
みなさん、本当にいろんなことで悩んでいるでしょう?

つらいこと?
そうですねぇ…。

あの子が幼稚園のときだったかな、
運動会の日も、興奮して走り回っているから
私は必死で後を追っかけなきゃいけなくて。
そんなとき、
輪になっておしゃべりしているママたちを見て
「ああ、いいなぁ」って
そう思ったのは覚えていますね。

あなたはどんな仕事をしているんですか?
本の編集? 以前は出版社に勤めていたの?
すごいわね、バリバリ働いて」

そして彼女は、
にっこり笑ってこう言いました。

「私が生きられなかった、もうひとつの人生」

私は涙を抑えるのに精一杯でした。

彼女がほかのママより不幸?
息子のために犠牲になった?
そんなふうに思うのは、浅はかです。

彼女はただ、ずーっと
息子さんのそばにいたのです。
ひとりにすることなく。

私たちの知らない幸せを、
彼女は知っているはずです。

高校生の息子のお弁当。
自分のモチベーションを上げるために、
毎日写真を撮っています。
今日のメインおかずは、イカフライ!